住宅を売ったときの税金って減らせるの? 分離課税の所得控除について

当ページのリンクには広告が含まれている場合があります

今日は、税理士さんの無料相談に行ってきました。

自宅を売却したので、確定申告をしなければならないためです。

不動産売却で得た利益には、税金がかかる

住宅などの不動産を売却したとき、買った値段より売った値段のほうが高くなっていると、利益が出ます。

つまり、税金がかかります。

普通は、家は古くなれば安くなるものですが、私が買ったのは25年前。

不動産がめっちゃ安かった時代なんですよ。

それがここのところの地価高騰でどんどん価格が上昇していき、あれよあれよという間に買った値段を追い越していきました。えへ。

東京で不動産不況時代に家を買った人は、けっこうこういうパターン多いのではないでしょうか。

で、この不動産を売って得た利益は、「土地建物等の譲渡による譲渡所得」として、課税されます。

これは、分離課税といって、給料とかとは別のお会計になるんですよね。

目次

ん? 所得控除はどうなるの?

ここで、こんな疑問がわきました。

みっしー

所得控除は使えるんだろうか・・・?

できるものなら税金は減らしたい。

税金を減らすには所得控除! ですよね。

私も生命保険料控除とか、iDeCoや小規模企業共済の控除、子どもが大学に通っていた頃は特別扶養控除などの所得控除を、毎年確定申告で使っています。

でも、分離課税ってどうなるんだろ?? いわゆる給料的な所得とは別に課税されるってことは、所得控除は使えるのかしらん?

というわけで、税理士さんに聞いてきました!

結論:分離課税も所得控除できる!

結論から申し上げると、分離課税も所得控除ができます。

総合課税のほうで、控除しきれなかった場合は、分離課税に控除がまわるそうです。

図解するとこんな感じ。

住宅を売却した場合の「譲渡所得」は分離課税

まず、住宅を売却して利益は課税所得としてカウントされます。

これは、給与所得などの「総合課税」とは別に税金が計算される、「分離課税」です。

課税部分がそれぞれこんな分量だと思ってください。↓

所得控除はまず、「総合課税」から使われます

課税部分は、所得控除を使えば減らすことができます。

このとき、(うちのように)給与所得などが少なくて、所得控除が課税所得を上回るケースがあります。

すると、総合課税の課税所得はマイナス扱いになり、所得税がかかりません!(住民税は計算が若干違いますが、課税所得がマイナスになれば、均等割だけで済むことが多いです)

所得控除の仕組みを簡単に解説すると、次のようになります。

仮に下の図の黄色い部分が所得控除だとします。この所得控除はまず、総合課税のほうから使われます。

グレーの総合課税部分に、今年使える所得控除を重ねてみます。

このとき、総合課税の課税部分より、所得控除が多い場合、下の図のように、黄色い部分がはみ出します。
控除が使いきれずに余る部分が出る、ということです。

余った所得控除は、「分離課税」に使われる

所得控除が多すぎて、総合課税で使いきれなかった場合、その余った所得控除は、そこで切り捨て・・・ではなく、分離課税で控除されます。

すると、分離課税の課税所得を減らせます。

図にするとこんな感じ↓

つまり、所得控除が多ければ分離課税部分にかかる税金も減らせる可能性があるということです!

税理士さんに確認してもらったので、間違いありません。

税理士さんも、あまり聞かれたことがない質問だったようで、最初は「所得控除が余ったら多分・・・分離課税から控除されるはずですが・・・」と微妙な表情。

ご丁寧に、後日確認してから連絡をくださいました。

「いやー、僕も確認できて勉強になりました」とおっしゃっていたので、けっこう知られてないのかも? しれないですね。

がっつり所得控除をしようと思う! けど!

分離課税を所得控除するにはまず、総合課税が非課税になるぐらいの所得控除が必要です。

個人事業主や私のようにマイクロ法人で代表をしている場合は、「小規模企業共済」や「iDeCo」が、かなり有効だと思います。両方ともフルで掛ければ、年間150万円ぐらいの所得控除として使えます。

特に、小規模企業共済は1年分を前納すれば、前納した全額がその年の所得控除になるので、すごい節税効果です!

なので、今年は小規模企業共済をマックスまで引き上げよう&前納しようと思ってます。

ただ、ここのところの株式相場を見ていると、投資信託の積み増しをしたほうがいいかな? とも思ったり。

どっちにお金を振ろうか、ちょっと悩んでいるところです。

まとめ

住宅を売った時の利益は、分離課税として課税されます。

ですが、いつも所得控除が多くて使いきれていない人(あるいは今年だけ多くできる人)は、分離課税部分の課税所得も減らせる可能性があります。

所得控除は、総合課税で使いきれなかった部分があれば、分離課税から控除されるからです。

個人事業主やマイクロ法人の役員の場合は、使える所得控除も豊富です。小規模企業共済やiDeCoをフルマックスで使えば、相当節税ができます。

住宅を売る時、「あれ? 税金かかるじゃん。これって課税所得減らせるの??」って思ったら、使える所得控除を全力で使うといいかもしれません!

以上、みっしーでした。

この記事を書いた人

2024年からゆるFIRE生活に入った50代。フリーランスで適度に働きつつ、人生のロングバケーションを健やかに楽しむのが目標です。

目次